米倉整形外科クリニック|足立区六町の整形外科・リハビリテーション科

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関節の主な病気と外傷

半月板損傷

半月板損傷

スポーツなどのけがから生じる場合と、加齢により傷つきやすくなっている半月板に軽微な外力が加わって損傷する場合とがあります。
半月板は膝関節の「大腿骨と脛骨」の間にあるC型をした軟骨の板で、内側・外側それぞれがあり、クッションの役割を果たしています。これが損傷すると、膝の曲げ伸ばしの際に痛みやひっかかりを感じたりします。時には、膝に水がたまったり、急に膝が動かなくなるロッキングという状態になり、歩けなくなるほど痛くなります。
リハビリテーションや消炎鎮痛薬の内服など保存的治療で症状が改善する場合がありますが、改善しない場合には手術を行います。手術は切除術(損傷した部分を切り取る)と縫合術(損傷した部分を縫い合わせる)の2種類があり、通常は関節鏡を使って行います。

変形性股関節症

変形性股関節症

原因は、先天性股関節脱臼の後遺症、臼蓋形成不全、あるいは外傷が主なものです。はじめに関節軟骨がすり減り始め、最後には骨の変形をきたします。親戚、親兄弟に先天性股関節脱臼や股関節疾患の患者がいる場合には臼蓋形成不全の可能性があります。
主な症状は歩行時の脚のつけ根の痛みです。症状が進むと変形が生じ、股関節の動きも制限され、靴下履き、和式トイレが困難になります。
問診、股関節の誘発痛や可動域制限、X線(レントゲン)像などで診断します。必要に応じてCTやMRIなどの検査を行います。

変形性膝関節症

変形性膝関節症

原因は関節軟骨の老化、外傷、肥満、遺伝などが考えられます。加齢によるものでは、関節軟骨が年齢とともに弾力性を失い、使いすぎによりすり減り、関節が変形します。
主な症状は膝の痛みと水がたまることです。症状が進むと、膝の動きは制限され、膝が伸びなくなります。またO脚変形が生じます。
問診や診察、特に触診で膝関節内側の圧痛、動きの制限、腫れ、変形、関節の不安定性などを調べX線(レントゲン)撮影をして診断します。必要によりMRIなどの検査もします。炎症所見が強く、関節穿刺で関節液が濁っているときは偽痛風や関節リウマチ、化膿性膝関節炎などの合併を確認するために血液検査をすることもあります。

大腿骨頸部骨折 / 大腿骨転子部骨折

大腿骨頸部骨折

大腿骨は股関節からすぐのところ(大腿骨頸部)で曲がっています。人間はその曲がった大腿骨で体を支えていますが、曲がったところは転倒や転落の時に外力が集中し骨折しやすくなります。この骨折は骨粗鬆症で骨がもろくなった高齢者に多発します。
病態が大きく異なりますので、関節の中で折れる場合(大腿骨頸部骨折)とそれよりもう少し膝側の関節外で折れる場合(大腿骨転子部骨折)の2つに分けて考えます。
大腿骨頸部骨折は骨粗鬆症がある場合、ちょっと脚をひねったぐらいでも発症します。高齢者が何日か前から脚の付け根を痛がっていたが、ある時急に立つことがあります。これは立てなくなった時に骨折部でずれが生じたと考えられます。
また大腿骨頸部骨折では骨頭壊死といって、後日、血流障害により骨がつぶれてしまう合併症にも注意が必要です。
一方、大腿骨転子部骨折は明らかな転倒・転落で発生します。
大腿骨頸部骨折は血液循環が悪いため骨癒合が得られにくく、一方大腿骨転子部骨折は骨癒合が比較的得やすいので、手術方法が異なります。